今回最優秀賞を受賞したチーム「MOUantAI」、ビジネスアイデアが生まれたきっかけや、今回のピッチコンテストに参加した経緯、参加することを決めてからどんなことに苦労したかなど二人に話を伺いました。
こだわったのは、5分間、
聴く人たちに“伝わるように”必死になること
【チーム名:MOUantAI】
●立命館大学 経営学部 経営学科3年 平田 康介さん(写真左)
●立命館大学 経営学部 経営学科3年 太田 晶景さん(写真右)
- Q:今回、最優秀賞を受賞したビジネスアイデアについて教えてください
- 太田さん:写真をパシャっと撮るだけで簡単に食事量を測定できる、介護施設向けアプリ「めしパシャ」です。介護施設に入居している人たちにとって、食事量の低下は最終的に命に関わります。施設での食事は本来、量を正確に測定して管理されるべきですが、現状は食べ終わったお皿を見て、人が感覚的に把握しています。しかも見る人によってそのとらえ方も異なります。「めしパシャ」は食事前と食事後の画像を撮り、その差をAIが測定することで、測定の基準を統一し、入居者のより正確な健康状態を把握することを可能にしたり、施設で働く人たちの業務を効率化することで入居者の方と直接関わる時間を増やしたりします。
- Q:今回のビジネスアイデアが生まれたきっかけとは?
- 平田さん:私の父が介護業界で働いていて、入居者の毎日の食事量を測るのが大変だと聞いていました。また、私が画像認識AIを勉強する機会があり、その2つをつなげられないかと思ったのがきっかけです。最初は介護施設で働く人たちの手間をDXで削減しようと考えたんですが、施設を回ってヒアリングしていくうちに、“手間がかかる“ことより“正確に測られるべきものが測られていない“という現場が抱えている問題に気づくことができました。
- Q:最も苦労されたことは何でしたか?
- 平田さん:「聴いてくれる人たちに伝えよう」という思いが強かったことですかね。参加したチームの中には私たちより進捗度も高くて黒字化しそうなプランを出しているところもあったので、正直なところ最優秀賞を取れるとは思っていなかったんですが、その点を評価していただけたのかなと思っています。あと太田くんがつくってくれたパワポの資料がすごく見やすく、より伝えることを意識したデザインだったことも良かったと思います。
太田さん:ビジネスピッチはスライドを切り替えるスピードが速いので、読んでいたら間に合わないんです。なので、伝えたいことがパッと見てわかるシンプルなスライドにしようと。情報量をそぎ落として、できるだけ文字数を減らして、アイコンやイラストを使うようにしました。
平田さん:話す人が「主」でパワポは「従」。スライドは一瞬見てくれたらいい。メインは僕たちのしゃべりだから、僕たちを見ていてください、という感じです。
- Q:お二人の今後の目標を聞かせてください
- 太田さん:このサービスを仮導入してくださる施設も出てきました。受賞がうれしい一方で、ホントにこの課題を解決しなければいけないという焦りもありますね。プロトタイプを作ったんですが、今後の課題としては画像の認識率を高めていく必要があると考えています。当面は研究開発と営業を両輪で回しながらサービスを展開していって、長期的にはカロリーや栄養素はもちろん、バイタルデータと組み合わせてより科学的に介護予防ができる世界をつくっていきたいです。
- Q:次年度チャレンジする方にメッセージをお願いします
- 平田さん:ビジネスピッチは発表会じゃないので、自分がどんなにうまく発表できたとしても聴く人たちに伝わっていなければ失敗だと思います(自分の経験上)。思い、課題に対する危機感、サービスのすばらしさ、社会に与えるインパクトを5分間必死に伝える。そこにこだわることがまず大事だと思います。