出場大学※五十音順

出場大学 出場大学

KANSAI STUDENTS PITCH GRAND PRIX 2022

●プロモーション動画

●当日のライブ配信映像

最優秀賞受賞者インタビュー

社会課題と解決策、その先の未来を見せること

●大阪工業大学 工学部 電子情報通信工学科4年 宮田 祈

インタビュー画像1
Q:今回、最優秀賞を受賞したビジネスアイデアについて教えてください
 私たちはお米農家の水管理作業を省力化するIoTデバイスをつくりました。お米づくりには水田の水位管理が欠かせないのですが、現場では生産者が水田まで出向いていく労力が発生しています。私たちは塩ビ管の上に通信モデム、下に土壌水分センサーを入れて、それを水田に立てて通信させ、遠隔地でも水位の調整と管理ができる仕組みを考えました。
Q:今回のビジネスアイデアが生まれたきっかけとは? 
 私は小型人工衛星をつくるプロジェクトを学ぶ目的で大学に入りましたが、ある小説を読んで、人工衛星の知識を農業でいかせるのではないかと思ったんです。日本は年々農家の数が減っており、耕作放棄地が増大しています。そのうえ稲作は極めて生産性が低いと知りました。自分が学んできた通信技術を農地で廉価に、技術的におもしろく使える方法はないかと考えたのがきっかけです。
Q:印象に残っていることはありますか?
 私たちふたりとも農家の知り合いがいなかったので、話を聞かせてくれる人たちにたどり着くまでが大変でした。紹介者をつないで出会った農業法人に試作品を見せた時、塩ビ管を立てるだけで水位管理ができるのかと驚かれました。従来の設備は施工に1日かかりますが、私たちのデバイスは軽くて水田に突き刺すだけなので簡単なんです。しかも安い。私たちのアイデアと農家のニーズが一致したのはうれしかったですね。
インタビュー画像2
Q:最優秀を受賞できた勝因はどこにあったと思いますか?
 プレゼンテーションの練習をたくさんしたことですね。ビジネスアイデアは他のチームも優れていますが、私たちはわかりやすく伝えた点が評価されたのだと思います。実物の塩ビ管を見せたのもよかったかも(笑)。
プレゼンのポイントは冒頭に社会課題と解決方法を述べたことですね。改善したい現状と、それを解決するための手段は何か。そして仮説でいいので得られる結果と未来を提示することです。
 それから農業には専門用語がたくさんありますが、聴く人はそのビジネスの初心者だという前提で言葉を選びました。たとえば「反収量(はんしゅうりょう)」を「収穫量」と言い換えるなど、難しい用語は使わないようにしたんです。
5分間の発表でしたが、時間内におさめるために話したいことを半分以下の量に絞り、40回以上練習したかな。大学の産学連携の方や知り合いの大人たち20人近くに聴いてもらいました。
Q:今後の目標を聞かせてください
 今年1年は農家の困りごとをピンポイントに定量的にリサーチして、デバイスの具体的な導入計画を立てたいです。その後は会社をつくり、メンバーを増やして量産体制をつくりたいです。サービスも増やして5~10年後には会社を買ってくれる人がいたらいいですね。将来的には大学で研究活動の活性化や研究開発マネジメント業務に従事するURA(University Research Administrator)になりたいと思っています。

【チーム名:AquComm】
大阪工業大学 工学部 電子情報通信工学科 宮田 祈、情報科学部 コンピュータ科学科 藤田 耕平

出場者一覧